2015年の色「マルサラ」が示す、ベーシックカラーのトレンド
先日、J-WAVEの番組「I.AM」の取材をお受けしました。内容は、「2015年のトレンドカラーは、どんな色?」。アメリカのパントン社が発表した2015年の色「マルサラ」について、コメントさせていただきました。収録いただいたものが、本日1月20日(火)に放送されました。
番組のブログ「I A.M. : J-WAVE 81.3 FM RADIO」でもご紹介いただきましたので、ぜひ、ご覧くださいね。
2015年の色「マルサラ」を着こなすキーワード
2015年の色「マルサラ」については、MAKEPO、IROYA MAGAZINEに続いて、All Aboutにも解説記事を寄稿しました。マルサラを着こなすキーワードは、「ノームコア」と「70年代」。具体的なアイテムや色は、「デニム」と「ブルー」が重要です。
ベーシックカラーにもトレンドがある
70年代はアースカラー(ブラウン系)が流行しました。布帛の他、バッグやシューズ、ベルトなど、レザーのアイテムにブラウン系のバリエーションが広がりました。ヒッピーやフォークロアのようなくつろいだスタイル、ニュートラのようなきれいめのスタイルにも、マルサラのような明るい赤みのブラウンが見受けられます。
70年代、アースカラーが流行した背景として、オイルショックがあげられます。便利になった現代の暮らしに疑問を抱き、自然へと興味関心が向かった時代。そんなムードの中、アースカラーが支持されたのではないかと考えられています。
ノームコアの背景にあるもの
ノームコアのトレンドの背景にも、現代の暮らしへの疑問があり、より自然体の暮らしを求めるムードがあるのではないでしょうか。パントンが選んだ2015年の流行色には、スキューバブルー、ストロベリーアイス、カスタードなど、感覚に訴えかけるような色名が多いのが特徴です。色は見るものだけど、身体で感じるもの、味わうものでもあるのです。
自然志向とブラウン系の流行
自然への志向が高まると、ブラウン系が流行します。80年代のアースブラウン、90年代のチョコレートブラウン、2000年代のカーキなど、ブラウン系の流行はありましたが、マルサラのような明るさと赤みを持つブラウンは新鮮に映ります。ワードローブに取り入れると、着こなしのアクセントになってくれるのではないでしょうか。
浮世絵に描かれた茶色
歴史を振り返ると、江戸時代は奢侈禁止令によって、茶色が流行しました。当時の役者絵や美人画を見ると、着物に茶色が効果的に使われています。葛飾北斎が描いた「赤富士」にも、マルサラのような色があります。赤の印象が強いですが、実際は赤茶色です。マルサラのような明るい赤みの茶色は、浮世絵にもよく見られる色です。浮世絵からも、色づかいのヒントが見つかるかもしれません。