伝統色はつくられる
毎日新聞のサイトに気になる記事があったので、ご紹介します。
特集ワイド それホンモノ?「良き伝統」の正体(2016年1月25日東京夕刊)
上記の記事では、選択的夫婦別姓制度の是非を巡る議論や江戸しぐさなどの例をあげて、なぜ新しいものを「伝統」と考えたがるのか?について考察しています。
結論のひとつとして、「昔はよかった」と過去を美化する傾向をあげています。
このような傾向は、日本語の色名にも見られます。
日本に限らず、色名は、時代とともに増えていくのですが、明治以降、急激に増えていきます。
例えば、「若竹色」「青竹色」という色名が用いられるようになったのは、明治以降。
「古代紫」も明治時代の流行色で、江戸時代の「江戸紫」「京紫」よりも、暗くくすんだ紫のことを「古代の紫」と称したと言われています。
これらは一例に過ぎませんが、古くからあるように思われる色名の中には、科学技術の発展によって生まれた新しい色もあります。
このような色名は、江戸時代にも見られます。例えば、安土桃山時代の茶人、千利休にちなんだ「利休鼠」という色名は、江戸時代後期の流行色。「利休」の名をつけることによって、緑みを帯びた灰色は、茶の湯とともに育まれた侘び寂びの美意識と結びつき、付加価値が生まれたのではないでしょうか。
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