松本英恵のセンスオブカラー

All About カラーコーディネートガイド 松本英恵

ミントグリーン:レミニッセンス(追憶)の色

2016年12月15日、東京・渋谷にて開催された「カラー・オブ・ザ・イヤー2017」発表イベントを取材させていただきました。

1995年よりパントン・カラー・インスティテュート・エグゼクティブ・ディレクターを務める、リアトリス・アイズマン氏のプレゼンテーションを拝見し、インタビューさせていただく貴重な機会となりました。詳しくは下記の記事をご覧ください。

 

allabout.co.jp

 

記事に書かなかったことで印象に残っているのは、レミニッセンス(追憶)、ヴィンテージカラーといったキーワードで紹介された、ミントグリーンのフォルクスワーゲンのレトロカーを使ったデザイン事例です。

アイズマン氏のプレゼンテーションは撮影禁止だったので、参考になりそうな事例をあげましょう。

映画「ゴッドファーザーⅡ」(1974年公開)に同じようなボディカラーのクルマが登場します。「ゴッドファーザーⅡ」は、1958〜1959年のマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)と1917〜1941年のヴィトー・コルレオーネ(ロバート・デ・ニーロ)を交互に描いた作品です。

2つの異なる時代を描き出すのは、街並み、インテリア、ファッション、そして、クルマです。

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ヴィトー・コルレオーネの物語は、ニューヨークが舞台。暗く濁った色彩が、世界恐慌の時代を表しています。

 

マイケル・コルレオーネの物語は、レイク・タホ、ブルックリン、フロリダ、そして、キューバを舞台に展開します。街並みは異なるけれど、同じようなクルマが走っています。ファッションも時代を示す重要な要素ですが、クルマの色やデザインは、メーカーや車種が限定されるので、より鮮明に時代を映し出すのではないでしょうか。

 

キューバを訪れたマイケル・コルレオーネは、間一髪でキューバ革命から逃れ、敵対するマフィアにも勝利しますが……。画面を彩るミントグリーンなど、甘く優しいパステルカラーは、マイケル・コルレオーネが失ったものを表しているように感じました。

 

キューバ革命を機に、米ソの対立は厳しさを増していきます。ミントグリーンは過ぎ去った幸せな日々を懐かしむ色なのかもしれません。


ご興味のある方は、映画をご覧ください。

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※文中の写真は、キューバの街並み。写真AC(http://www.photo-ac.com/)にてダウンロードしました。

 

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